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パターンを作ることの喜び！
３８年前に既製服を作る会社に入り、アメリカやフランスの技術提携先から送られてくるサンプルやパターンを利用しながらデザパタをしていた時、パターン作りはオリジナルパターンの解析と日本人向けサイズへの修正、又デザインバリエーションへ
の展開が、その仕事の中心であった。
それは作れば売れる時代の先駆けでもあったのでデザイン数はどんどん増えてオリジナルパターンを使っていては仕事が間に合わず、日本人の体型に合わせたスローパーを作り、それを用いてパターン作りをするようになり、そこから平面製図への取り組みが始まりました。
振り返ってみれば、それは平面製図という手法の中に、全ての経験を押し込んでおいて後で取り出せるようにする事であったと思うが、その手法では解決出来ない問題点も一緒に押し込む結果になっていた。
最近、再びパターン作りと向き合う機会があり、今でもその延長でまとめようとしている自分に、１つ１つの服作りに携わるパターンメーカーの仕事の喜びが、全然別なところにあり、しかも、その服作りの中で発生する問題点を後まで残さず、納得いくところで完成させる仕方がある事を教えてくれた人がいました。立体裁断のみをパターン作りの手法として仕事をしているパターンメーカーである。
スローパーを用いた平面製図によって解析した彼女のパターンについて、その結果を伝えていた時です。
同じようなデザインのパターンなのに、各部の仕上がり寸法に違いがあることを指摘しながら、どうすれば彼女のパターンを平面製図から作成する事が出来たかを説明していたら、彼女が言いました。
「自分がパターンメーカーとして仕事をしているのは、トワ－ルを組み立てながらイメージしているシルエットを色々と工夫しながら作り上げる喜びがあり、これがなくなったら仕事からやり甲斐が消えてしまう」と。
平面製図の仕方でも、問題点をうまく解決する方法がみつかった時の喜びはありますが、それは新しい方法を発見した喜びではあっても、服そのものとは直接関わりのないところで作業される為、１つの経過点のようになてしまい、服そのものを作りだす手作りの喜びとは違います。
“手作り”の喜びがパターンメーキング、その中に存在し、それを生き甲斐に仕事をしているパターンメーカーがいる事に初めて気付き、この事を大事にしないと、人の気持ちを引き付ける、感性豊かな服は出来ないのではと感じました。
彼女の作品を見ながら、何時も挑戦してみようと解析をしていますが、平面展開でピタリと合うところがあったり、どうしても説明が出来ない箇所があったりで、探究する楽しみはあるものの、なにか不思議なものに触れている気がしています。
立体裁断を会得するための時間はかなり長い期間を要するであろう事は想像に難くないので、平面製図を行い、それを組み立てながら修正して行く、平面と立体を併用したパターン作りの方法で立体裁断に行き着く事が良いと考えるが、立体も平面も与えられた時間の中で感性豊かな仕事が出来るようになれば良いが、どちらかに片寄ってしまうと、よほどベテランでないと、量とか質の面で行き詰まってしまうでしょ
う。
これからは平面製図で６０～８０％、残りは立体でのチェックと修正で完成出来れば良いかなと考え、納得しています。
追伸
縫製でもその中に手作りの喜びにつながる仕事の仕方がないと、作り手の喜びを引き出せないだろうし、作られたものが人の気持ちを引き付ける事もないだろうと感じ、これから見つけ出すことにしています。
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