すべって ころんで 方向を得た

雨の日、すべって転んで、左肩をいためた。利き腕の右肩で無かった事は、不幸中の幸いであったが、左肩は左手に連動して様々な支障が出る事を発見した。パターン作製の時、思いどうりのラインにならない。ドレーピングの形がなんとなくスッキリしない。『利き腕は右手だから大丈夫』と高を括っていたが、影で右手を操っていた「黒幕」は、左手であったようだ。確かに、どんな手作業でも、利き腕の反対の手が、しっかりと物を押さえ、形を整え、『利き腕様どうぞ』とリードしているのである。作品の出来栄えは左右の手の山分けといえる。物造りで、経験を積み重ね腕を研くということは、まず、脳（感性）を研き、脳からの指示を両手がピッタリ捕らえ、その連動で美しい形をつくりだす。そして、すばらしいクリエイティブにアプローチをすることになる。

ところで、戦時中はモンペが大流行した。当時は第一条件として機能性が要求された。戦後は反動で見た目の美しさが第一条件になった。近年は美しさに加えて、機能性も重要視されるようになった。２１世紀はグローバル化の波に乗って、女性は社会的にもっと働き、もっと動き廻る世紀となる。私達はそのような顧客の変化にすばやく対応していかなければならないと思う。

Ｈ Ｉ